6月1日から7月15日まで、原爆の図丸木美術館にて個展「The Ghost in the Doll」を開催いたします。
これまでのラブドールの妊娠をモチーフにした「Do Lovedolls Dream of Babies?」から一転して、19世紀の写真古典技法を用いて、ポストモーテムフォトをリファレンスに乳児の人形を撮影した写真作品《Pre-alive Photography》を中心に発表します。
美術館での個展は初めてとなります。丸木美術館という歴史のある場所での個展という素晴らしい機会をいただき、この場所だからこそ真剣に向き合える新作に取り組んでまいりました。ぜひ、この機会にご高覧いただければ幸いです。
http://theghostinthedoll.strikingly.com
http://theghostinthedoll.strikingly.com
展覧会:菅実花 個展 The Ghost in the Doll
会期:2019年6月1日から7月15日
会場:原爆の図丸木美術館
〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1401
池袋駅より東武東上線急行で約1時間(高坂駅・東松山駅・森林公園駅)
展覧会ウェブサイト
作品制作にあたって、「天使のリボーンドール 」様、「ライトアンドプレイス湿板写真館」様に多大なご協力を賜りました。
会期中にはトークイベントと、湿板写真のワークショップを行います。(詳細はフライヤーをご覧ください)
初日のオープニングトークでは、今回お声がけくださった学芸員の岡村幸宣氏と、個展開催のきっかけとなった丸木位里・俊作《原爆の図 第一部 幽霊》の話をします。
6月15日には写真家・著述家で多摩美術大学教授の港千尋先生をゲストにお招きして、対談を行います。写真によって写される「魂」について、写真の歴史やメディア性から表現を紐解きます。
6月29日には湿板写真のワークショップを行います。私は湿板写真で撮影される体験をしたことで、それまで文献で読んだだけではわからなかった感覚を実感し、今作の表現に繋がりました。この機会に皆様にも体験していただこうと思い、企画させていただきました。当日は、制作協力の「ライトアンドプレイス湿板写真館」の和田高広氏をお呼びして、丸木夫妻が使用していた江戸時代に建造された家屋で撮影を行います。現像で像が浮かび上がるプロセスをご覧いただけます。希望される方はカメラを触ることも可能です。出来上がった湿板写真は、後日、丸木美術館または日暮里の「ライトアンドプレイス湿板写真館」でお受け取りいただけます。ご予約は丸木美術館(tel:0493-22-3266, mail:marukimsn[at]aya.or.jp)にお願いいたします。
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菅実花は、等身大の女性型愛玩人形を妊婦の姿で撮影した作品《ラブドールは胎児の夢を見るか?》を発表して注目を集めた美術家です。今回の個展では、19世紀の西洋で流行した、故人の姿を湿板写真で記録する「死後記念写真(Post-mortem Photography)」の手法を用いながら、等身大の精巧な乳児人形「リボーンドール」を撮影した《Pre-alive Photography》を中心に発表します。
写真黎明期の日本では「写真に写ると魂が取られる」と信じる人もいましたが、西洋では故人を生きているかのように演出し、記念撮影をしていました。とりわけ、死亡率の高い乳幼児を撮影した事例が多く見られました。一方、近年は、子どもを亡くした母親や不妊治療に苦しんだ女性たちによって子どもの代わりに購入される人形「リボーンドール」が人気を呼んでいます。《Pre-alive Photography》は、様々な背景を持つ女性たちの思いが託される「リボーンドール」を、「死後記念写真」になぞらえて、当時と同じ湿板写真の手法で撮影することで、人形に生命を見出そうとする試みです。
丸木位里、丸木俊による共同制作《原爆の図》を常設展示している原爆の図丸木美術館は、極限状態・悲劇的状況に直面した人間の姿を克明に描いた絵画を通して、生と死を見つめる空間です。近年は、若手作家による企画展を開催し、丸木夫妻の意思を次世代へ受け継ぎ、 新たな価値を創造することを試みています。
その趣旨を踏まえた本展は、菅にとって初めての美術館での新作個展であり、美術における生と死の表象の系譜を現代へ継承する企画になるでしょう。死は、常に個々の人間に訪れるものです。戦争などの大きな文脈として語られがちな死の物語を、個々の集積として捉え直す機会として、本展をご覧いただければ幸いです。
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I have a solo exhibition ”The Ghost in the Doll” in MARUKI GALLERY FOR THE HIROSHIMA PANELS from Jun 1st to July 15th 2019.
I exhibitrecentwork “Pre-alive Photography” that is the reborn doll photo like a post-mortem photography in 19 centuries by the collodion process.
Thisis my firstsolo exhibition in a museum.
Mika KAN Solo exhibition ”The Ghost in the Doll”
MARUKI GALLERY FOR THE HIROSHIMA PANELS
Jun 1st. – July 15th. 2019
Exhibition web
I corporate with collodion process photo studio “Light & Place” and doll shop “Angels of Reborn Doll”.
Please cometo see when you come to near.